勝手にマリアージュ
舌の構造とグラスの形状 ①
ワインを注ぐとき、ワインの種類によってグラスの形状が変わることがあると思います。
当店も飲まれるワインによって対応できるものはグラスの形状を変えるようにしています。
ここには、「これから飲まれるワインを最高に美味しい状態で飲んでいただきたい。」という想いがあります。
でも、「何の基準でかえるの?」って思いませんか?
私もバーテンダーになり、ワインの勉強をしてみて初めてそのことを知りました。
さらにはグラス選びの中で、「リーデル社」のワイングラスとの出会いがその感動をより大きく感じさせる時間となりました。
お店でこういったお話をする機会もあるのですが、今のようなこのコロナ禍の中、自宅で楽しむネタの一つになってくれたらいいな!と思い、今回はこちらでお話できればと思います。
お時間がございましたら、ぜひ少しだけお付き合いください。
まず、舌の構造をご説明します。というか、私が学んだ味覚のお話。
ただ、いろいろ調べているうちに、今はこれは正しくなく、舌全体の味蕾が様々な味わいを感じ取るものと説明されているものも沢山出ていました。私はどちらも正しければいいなと思っています。
舌全体で甘味、酸味、塩味、苦味・渋味など感じているのは、正にそうだと思います。
実際、私自身、食べ物や飲み物を飲んだ時に、舌の一部に強烈なインパクトなどは感じないからです。
ただ、それだけで終わらすのはもったいなくて、と言うより、ここからは私の勝手な思いでお話を続けますが、
私は「リーデル社」のワイングラスに出会ってとても感動しました。
香りを楽しませてくれ、そして、酸味を和らげてくれたり、渋味や苦味を穏やかにしてくれたり、より豊かな余韻を残してくれる。それは、口の中の構造に意味があるからそう感じるのではないかな?とも思うからです。
確かに、ソムリエ資格を取るとき、ワインを知る時、または味わいの方向性を学び知っていく過程で、私たちは「舌のどこで何を感じ取るか?」を学びます。
それが、この舌の構造の図のようになりますが、ここで感じ取るように意識をします。

「味覚地図は間違い」ではない!【美味しさとは?】-みあきログ
https://www.miaki-koo.com/entry/oishiitoha-taste-map
きっと初めは「なんのこっちゃいな?」って感じで、何も訳が分からないと思います。でも、それでいいと思います。まずは「美味しいねぇ~」「美味しいなぁ~」を一番大切にしてください。正直、感じ取れなくても、自分の好みか?好みでないか?は分かると思います。「美味しい」と思えたら、きっと好みの味だし、「ん?なんか・・・これって・・ん?」や「嫌い」「苦っ!」とかいろいろあると思いますが、ネガティブ要素が上がれば、それは好みの味でないということになると思います。
お客様とお話をしていていつも良く思うのは「ワインは知っていないと飲めないもの」という印象を持っておられる方がとても多いという事。日本酒やビールは何にも知らなくても飲めるのに、ワインに関しては「知識が無ければ飲んではいけない飲みのも」になっているのをとても感じます。
でも、作り手は「知識のねぇ~やつが飲むんじゃねぇ~!」なんて、思って作ってないと思います。
今までワインと関わったことない方も「うちのワインを飲んでワインが好きになった!」と言って欲しいくらいの気持ちで造られているとおもいます。
誰もがワインを楽しんでいいんです。
うんちくなんて言わなくても、言えなくてもいいんです。
ただ、美味しいと思えるワインと出会って欲しい。
人の目も気にしなくていいです。
少なからず、うちはそんな気持ちでお客様にワインをご提供しています。
そんな中、話は少し脱線しましたが、ぜひワインも自宅時間の間にチャレンジしてみてください。
私は自宅で晩酌するとき、お店に出すワインをテイスティングしたりもするのですが、スーパーで500円~くらいで売っている、ボトルワインをガブガブ飲んだりもします。
なんか気取らず、楽で、グラスにもこだわらずに飲むのも好きだし。楽しいです。安いワインは案外飲みやすい味わいの物もとても多く出回っています。フランス産などの冷涼な地の白ワインは果実味と酸味もあり、すっきりとした飲み口ですし、温かいカリフォルニアなどの温暖な地の赤ワインはボリューム感のある果実味が飲みやすい味わいに仕上げてくれていたりします。同じ葡萄品種の地域違いなど買ってみて、飲み比べするのも楽しいかもしれません。
そうやって、違いを感じている中で、先ほどの「舌の構造」を意識してみると、また、違いを見つけやすかったり、酸っぱいもの食べた時に舌の両サイドに唾がたまるかんじで、じわ~っと酸味を感じる感じが分かったりもするかもしれません。頭で飲むのではなく、ゲーム感覚くらいでリラックスして楽しんでいただきたいです。